炭酸塩岩と炭酸塩鉱物
炭酸塩岩とは炭酸塩鉱物が50重量%以上を占める岩石.炭酸塩鉱物は主として calcite(方解石)・aragonite(アラレ石)・dolomite(ドロマイト)である.これらの鉱物は炭酸塩岩中で混在していることもあるが,方解石もしくはアラレ石が優勢な石灰岩 (limestone),ドロマイトが優勢な苦灰岩 (dolostone) に2分される.
 沖村 (1982) が述べているように,炭酸塩岩には他の堆積岩には見られない重要な地球科学的情報が記録されている.それは,炭酸塩岩が a) 基本的に生物起源の粒子で構成された優れた示相岩であり,b) 化石の保存が良く古生物学や化石層序学的研究の主材であるという特長をもつためである.また,炭酸塩岩の安定同位体比や微量元素成分には堆積時の環境情報が記録され,それを基に少なくとも過去7億年間の地球史の枠組みが描かれてきたと言っても過言ではない.炭酸塩岩は古環境研究において最良の題材であるといえる.
上図は Leighton and Pendexter (1960) による石灰岩分類のための三角ダイアグラムである.ここでは,方解石(+アラゴナイト)・ドロマイト・非炭酸塩成分を端成分としている.この定義に従うと,石灰岩は方解石成分が90%以上の岩石を指す.また,非炭酸塩成分を10〜50%含む岩石は不純石灰岩 (impure limestone) と呼ばれる.
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