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2026年度第六回GBSセミナー(2026/10/26@105)

日時: 2026年10月26日(月) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)

場所:理学部1号館105号室

講演者:白井厚太朗 准教授

演題:地球化学者が魚の生態学を研究する

要旨:私はもともと「生物起源炭酸塩の化学分析による古環境復元」を主な研究テーマとしてきた.現在も,地球惑星科学専攻の教員として,地球環境変動,古環境・古生態,について地球化学的手法を用いて研究することが私のメインのテーマである.一方で,地球化学的手法は様々な研究対象に応用可能であるため,私は地球化学的手法を水産学・生態学に応用する研究にも取り組んでいる.魚の生態学や水産資源学は一見すると地球惑星科学と縁遠い分野に感じられるかもしれないが,実際には気候変動や物質循環など,地球惑星科学が大きく関連する分野でもある.今回のセミナーでは,地球惑星科学と魚の生態学の関係性について話題提供しつつ,現在進めている研究について幅広く紹介したい.

2026年度第五回GBSセミナー(2026/10/2@739):修士中間報告

修士中間発表会

日時:2026年10月2日 (金) 8:45〜17:45
場所:理学部1号館739号室(対面のみ)
発表:発表20分+質疑10分

8:45 遠藤 康生 ケイ素安定同位体比を用いた琵琶湖流域のケイ酸動態解析
9:15 植野 颯太 マンガン酸化物に対するバリウム吸着・同位体分別機構の解明
9:45 川道 豪秀 氷高圧相の析出に伴う有機分子の濃縮とエステル化反応の促進:氷衛星内部における化学反応への示唆
10:15 木島 悠理 フィジー・カンダブ島西部における1960年地すべり性津波イベントの復元
11:00 瀬戸 麻綾 ゲノムデータに基づくカイダコ2種の卵鞘マトリックスタンパク質再検索と卵鞘獲得の進化的メカニズムに関する考察
11:30 串田 千尋 脊椎動物の頸部・胸鰭を成立させた頭部体幹境界における発生機構の進化
12:00 近藤 裕介 スメクタイト中二価鉄による二価銅の還元
13:15 神保 文哉 幌延地下深部に生息するAltiarchaeotaのプロテオーム解析による代謝解明
13:45 大野 智洋 主要および微量元素の価数と化学種に着目した小惑星Ryugu母天体の水質変成環境の理解
14:15 津田 和忠 Nd同位体比を用いた回遊経路推定指標の開発
14:45 中山 陽斗 マグネシウム安定同位体比を用いた本邦河川水における主要成分組成形成要因の再検討
15:15 橋本 真篤 系統解析における機械学習を用いた形態形質選抜:鱗竜類に着目したケーススタディ
15:45 森 紀彰 高精度地形解析に基づく琉球列島におけるノッチの形成要因の解明
16:15 渡部 佑久 Bushveld複合岩体の大深度掘削による20億年前に形成した超苦鉄質岩中における微生物生態系の解明
16:45 木村 友哉 苔虫動物の出現頻度と生活様式の時代変遷
17:15 Sun Chang Geochemical assessment of factors controlling spatio-temporal variation of Hg signals in lake and reservoir sediments

2026年度第四回GBSセミナー(2026/7/31@105)

日時:2026年7月31日(金) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)

場所:理学部1号館105号室  講演者:鈴木勝彦 上席研究員(海洋研究開発機構・海底資源研究プログラム)

演題:日本はなぜ海洋鉱物資源に恵まれているのか? – 生成プロセスの科学的研究の重要性 –  要旨:近年、脱炭素技術に不可欠なレアメタルや、AIインフラを支える半導体・電力設備などに用いられる金属資源の需要は、今後さらに増加すると予測される。一方で、陸上鉱物資源には枯渇の懸念があり、特定の国や地域に偏在するという課題もある。こうした状況を背景に、新たな供給源として海底鉱物資源への期待が高まっている。 日本近海に多様な海底資源が存在する背景には、二つの地質学的条件がある。第一に、日本はプレートの沈み込み帯に位置し、海底火山活動に伴う熱水鉱床が形成されるポテンシャルを持つことである。第二に、鉄マンガンクラスト、マンガンノジュール、レアアース泥はいずれも形成に数千万年を要するため、世界でも最も古い海洋地殻が広がる太平洋プレート西端は、これらが十分に成長する時間的優位性を備えている。 海底資源の研究は、資源量や分布を調べるだけでなく、その形成過程を解明し、持続可能な開発の基盤を築くために重要である。地質学・地球化学・海洋物理学に加え、生物学、古生物学、資源工学、環境科学などが連携する総合科学としての研究が不可欠である。本稿では、こうした科学的研究の成果を紹介するとともに、将来の資源開発に向けた技術的・環境的な課題についても簡単に触れていく。

2026年度第三回GBSセミナー(2026/6/22@105):博士中間報告

日時:2026年6月22日(月) 8:50〜17:50 (D2 発表20分+質疑10分,D3 発表30分+質疑10分)

場所:理学部1号館105号室

8:50 古屋 俊和 (D2)  歯化石の同位体記録に基づく条鰭類の環境応答史の解明

9:20 森井 志織 (D2) 粘土鉱物構造中鉄の酸化還元反応:そのpH依存性や放射性核種の挙動に与える影響

9:50 笠井 克己 (D2) マングローブ林の形成・維持・再編過程に関する地形地質学的研究

10:20 休憩

10:30 區 烺穎 (D2) Anthropogenic Aerosols: Origin, Transformation, and Environmental Impacts

11:00 弓場 茉裕 (D3) 生物起源炭酸塩の酸素同位体比による水温復元の高精度化:生体効果の補正手法確立

11:40 中田 光紀 (D3) 南太平洋トンガ王国における過去約三千年間の巨大災害履歴の解明

12:20 休憩

13:00 高野 将大 (D3) 地球核中の水素の相選択性と体積膨張効果: Fe-X-H (X = Si, S, Ni)三元系における高圧実験および第一原理計算からの制約

13:40 周藤 俊雄 (D3) 河川に着目した日本列島周辺における水銀動態の地球化学的評価

14:20 城戸 太朗 (D3) 地下深部超苦鉄質岩における微生物生態系の解明

15:00 三木 志緒乃 (D3) 長寿二枚貝ビノスガイのスクレロクロノロジーと同位体地球化学を用いた高時間解像度気候変動復元

15:40 休憩

15:50 石㟢 美乃 (D3) TBD

16:30 服部 竜士 (D3) 上部白亜系Kem Kem Group産脊椎動物化石の地球化学的研究: 微量元素・同位体組成分析による続成過程の推定と生息環境の復元

17:10 井村 春生 (D3) 高流領域の一方向流による堆積物形成過程の研究

2026年度第二回GBSセミナー(2026/5/18@105)

日時:2026年5月18日(月) 17:30〜

講演者:砂村倫成 助教

演題:湖と河川の水圏生態系の違いを探る

要旨:陸水生態系において、水の流れや滞留時間は水圏環境を決定づける重要な因子であり、これが生物群集に与える影響の解明は重要な課題である。本発表では、東日本の40湖沼・30河川から得た約400試料を対象に、環境DNA解析から得られた多様な生物の情報を、群集の類似度や共生関係を紐解く多角的なアプローチで比較した結果を紹介する。環境DNA解析の結果、湖沼と河川では生物相が大きく異なり、湖沼や河川下流では環境要因による適応選択が、河川上流では流れによる偶発的な種の移動が群集形成を支配していることが示された。発表では、環境DNA解析を行う上での留意点(方法のメリットとデメリット、解析の工夫)も交え、流動環境の違いがもたらす生態系構築や機能への影響を考察する。

2026年度第一回GBSセミナー(2026/4/6@105)

日時:2026年4月6日 (月) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)

講演者:大藤弘明 教授

場所:理学部1号館105号室

演題:フランボイダルパイライトはなぜ,どのようにして生成するのか?

要旨:フランボイダルパイライトは,堆積岩中や現世堆積物(ヘドロ)中などに自生する顕微的(<~100 μm)なパイライト(黄鉄鉱,FeS2)の木苺状の集合体で,多数のマイクロクリスタル(パイライトの単結晶)より構成される.硫酸還元が進行している場所では極めて普遍的に見られ,堆積物中におけるそのサイズ分布は還元度を示す古環境指標としても用いられている.講演者は学生時代,フランボイダルパイライトの鉱物結晶学的な記載研究を行い,マイクロクリスタルが二十面体のパッキング構造をとること発見し,単分散コロイド粒子の凝集と同様の物理過程で形成されることを示した.しかし,肝心の,そのようなサイズと形態のそろった極めて多数の微結晶が一度に生成する要因と必要条件については,解明できておらず,フランボイダルパイライトの起源と成因は謎のままとなっている.近年,講演者は再びこの問題に挑むべく,現在進行形で生成している天然環境から採取した試料の記載・分析と実験室での合成実験を進めている.発表ではその結果と進捗について紹介する.

2025年度 第七回GBSセミナー(2026/2/16@105)

日時:2026年2月16日(月) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分) 

講演者:遠藤一佳 教授

場所:理学部1号館105号室

演題:古代プロテオミクスへの挑戦

要旨:化石中のアミノ酸同定、免疫学的手法による化石ペプチドの 検出、エドマン法による化石ペプチドのアミノ酸配列の決定を経て、現在では質量分析による古代プロテオーム解析が行われている。絶滅種の分子系統解析という観点から主に脊椎動物を対象とした研究が行われてきたが、一方で化石記録の豊富さから、無脊椎動物化石も古代プロテオミクスにおいて潜在的に重要である。小笠原諸島のカタマイマイ類化石等を解析した実例を紹介しつつ、特に方法論的に改良が必要な点なども含め、この分野の将来について展望したい。

2025年度 第六回GBSセミナー(2025/11/17@105)

日時:2025年11月17日(月) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)

講演者:佐々木猛智 准教授

場所:理学部1号館105号室

演題:軟体動物の生活様式と化石記録

要旨:貝類、イカ・タコ等を含む軟体動物は顕生代の全ての時代を通じて多様化した動物群であり、大型化石では最も産出量が多く、現生の海洋動物では最も種数が多い。その生活様式は、足を使って海底を這う表生匍匐型が祖先的であると推定される。次に普遍的に見られる生活様式は軟らかい海底中に潜入して生活する底質埋在型であり二枚貝に典型的である。これらの基本型から、基質穿孔型、足糸付着型、セメント質付着型、表生自由生活型、寄生(外部寄生、内部寄生)、浮遊性、遊泳性など様々な生活様式が出現し、一部は淡水に進出し、巻貝(腹足綱)は陸上進出を果たした。化石種の生活様式の推定には、生態と殻形態の対応関係を現生種で詳しく研究した上で化石標本を検討する方法が用いられる。現生種と化石種の比較を通じて軟体動物の生活様式の全体像を紹介する。

2025年度 第五回GBSセミナー(2025/10/17)

日時:2025年10月17日(金) 17:30〜18:30 (発表45分,質疑15分)

講演者:高橋嘉夫 教授

場所:理学部1号館105号室
演題:分子地球化学的手法を用いたリュウグウの水環境推定やprebiotic chemistryへの示唆

要旨:リュウグウ母天体のようなC型小惑星は、太陽系で最初に液体の水が生成した場所と考えられる。液体の水は、様々な物質の化学反応の場であり、その水環境条件(Eh、pHなど)や、そこで起き得る前生物的化学(prebiotic chemistry)を推定することは、生命の起源にも関わる重要な研究テーマである。我々は、これまで開発してきた走査型透過X線顕微鏡(STXM)などの分子地球化学的手法がこうした解析に有効であったことが契機となり、C型小惑星中の様々な元素のspeciationを行う機会を頂いた。これまでに各種XAFS分析から、C、N、Na、Mg、Al、P、S、Cl、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Asなどの元素のリュウグウ中の化学種を決める実験を進めてきた。本講演では、これらの分析から分かるリュウグウの母天体中の水環境推定やprebiotic chemistryへの示唆について紹介する。

2025年度第四回GBSセミナー(2025/10/6:修士中間報告)

日時:2025年10月6日

場所:理学部1号館105

StartName.Title
9:00小川 朋希爬虫類の嗅球とそのエンドキャスト間の関係性の検討と、二次的水性適応に伴う嗅覚の進化的変化の推定
9:30小山 誠也獣脚類の進化における腕神経叢位置と頸-胴境界部の体軸パターニングとの関係
10:00四宮 七瀬魚類椎体の微量元素分析に基づく生態履歴復元手法の検証 
10:30Rest
10:45末冨 百代赤外および近赤外線吸収分光法を用いた水試料中の炭酸主成分および塩分の迅速分析手法の開発
11:15鈴木 悠土 シンクロトロン放射光X線マイクロCTによる形態観察にもとづく鳥類の下肺腔の進化的起源解明
11:45竹本 亜優C型小惑星リュウグウ中の遷移金属スペシエーションとprebiotic chemistryへの示唆
Lunch
13:15中村 優介有尾類の舌に関する進化発生学的研究
13:45長澤 ジョディー彩腹足類の螺旋卵割角度の種間変異と左右決定メカニズムの研究
14:15野田 舜Sturtian氷期堆積シークエンスが明らかにするスノーボールアースの海洋環境
14:45古荘 皓基ケイ素安定同位体比を指標とした流域規模でのケイ素循環評価法
15:15Rest
15:30水谷 彩花環境DNAを用いた津波前後の生物群集変化
16:00矢部 志織南オーストラリアのクライオジェニアン紀間氷期の堆積環境と炭素同位体層序
16:30吉野 嵯樂モロッコFezouata頁岩産の新種節足動物化石が明らかにする頭部付属肢の起源